2015年度
当研究室の論文がJournal of Organic Chemistryに掲載されました。
我々の論文、"Effects of Ring Size and Polar Functional Groups on the Glutathione Peroxidase-Like Antioxidant Activity of Water-Soluble Cyclic Selenides"がJOCに掲載されました。 本成果は、岩岡道夫教授(理学部化学科)との共同研究によるものです。
DOI: 10.1021/acs.joc.5b00544
(2015年10月)
当研究室から発表した論文がCHEMISTRY-AN ASIAN JOURNALに掲載され、本誌の背表紙絵に採択されました。
生合成された新生タンパク質は固有の三次元立体構造に折れたたまる(フォールディングする)ことで生理活性を発現します。このタンパク質フォールディングでは、ペプチド鎖のコンフォメーション変化だけでなく二つのシステイン残基間でのジスルフィド(SS)結合形成反応が伴います。本研究では変性-還元タンパク質の疎水領域と親和性を示し、かつ過酸化水素の存在下で触媒的にタンパク質SS形成反応を促す両親媒性セレニド化合物を合成しました。この両親媒性化合物は小胞体内の新生タンパク質の酸化フォールディングを促すProtein Disulfide Isomerase (PDI) と有害な活性酸素種の除去を促すGlutathioneperoxidase 7 (GPx7)の両機能を併せ持つことが明らかとなりました。水溶性セレニドと疎水性アルキル鎖のコンビネーションはフォールディング病や抗酸化療法のための薬物デザインへの有益な構造モチーフとなりうると期待されます。本成果は、岩岡道夫教授(理学部化学科)との共同研究によるものです。DOI: 10.1002/asia.201402726(2015年10月)